長勝寺納骨堂会館 無量寿堂

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(photo S.Sakai)
北海道長沼町に存する浄土真宗の寺院の納骨堂と会館の新築である。
敷地は郊外の田園地帯に位置し、境内の防風林で囲われた外には水田が広がっている。

計画は築72年(1936年築)となる本堂を寺院の象徴として捉え、その象徴を引き立てながら境内はもちろん、周辺の環境と調和することを意図している。重厚な本堂の北側に配置されたカーテンウォールは本堂や周辺の木々の影といった自然の移ろいを映しながら、内部へ拡散した光を取り入れる。

本堂と会館をつなぐ透明な渡り廊下は、中庭への視線を透過し境内の新たなランドスケープを創り出し、またエントランス横には此処を訪れる人々を迎え入れるように鉄製のレリーフを設けた。このレリーフは背面の開口部を通してエントランスホールに木漏れ日のような光を落とし、この寺院の新たな象徴的な存在として、壁面を飾っている。

内部1階中央に配置されたホールは、施設の中心的な機能である集会室の役割を果たす。多目的な利用が想定されるこのホールでは、内陣・外陣といった歴史的な空間構成を踏襲し黒色の円柱によって意識的なゾーニングを計り、室としての機能を損なわず同時に通路空間を取り込むことに成功した。ホール北側に設けられた祭壇には背面の開口部より安定した採光を取り入れ、本堂を望む透明の開口部と吹抜けによって空間の方向性を定義した。

黒色の金属板で覆われた外観は、敷地外周を取り巻く木々の影のように景観の中に取り込まれる。また、西側へ張り出された2階部分よってこの施設のボリュームある重量感を消し去っている。現在も、遠方からは既存の本堂の屋根が木々の上へ覗き、本堂を主としたこの周囲のランドスケープを形成している。

このプロジェクトでは、これからの社寺建築としてのあり方。つまり、拝礼の場としての精神性を持つことと同時に、地域に開放されるべき公共物としての多目的な利用が望まれた。そして、その双方を実現することができたと考えている。


プロジェクトマネージャー/中舘誠治(NDS)
設計監理/
 中舘誠治(NDS)・名古屋英紀(a-plus)・芳川朝彦(a-plus)
設計アシスタント/田村美紀(NDS)
施   工/東建工業・日本国土開発 JV

///DATA
名称:鳳龍山 長勝寺 納骨堂会館 無量寿堂
所在:北海道夕張郡長沼町東4線北6番地
企画:2004.02-
設計:2007.05-
施工:2008.05-

構造規模:鉄骨造2階建 1300㎡(計画部)
用途:寺院(会館・納骨堂・渡り廊下)

(外部)
基礎:鉄筋コンクリート造
外壁:カラー鋼板貼
屋根:塩ビシート防水、カラー鋼板蟻掛葺
(内部)
床:タイルカーペット貼
壁:ビニールクロス貼
天井:ビニールクロス貼