長沼エコハウス
田園風景の広がる、北海道長沼町に建つ住宅です。次世代標準性能としての断熱強化や、循環型エネルギーの積極利用など、「これからのこと」を提案するエコハウスとしての自社プロジェクトです。
家族でシェアする家4人家族が住まう空間は、それぞれの寝室としての個室を持ちながら、片流れ屋根により生まれた高さの異なる吹抜の中に、緩やかにセパレートされた個性の異なる3つのスペースを設けました。それぞれが距離を保ちながら連続し、個と公との曖昧な領域としてそれぞれの空間をシェアするように計画しています。ダイニングテーブルの置かれたスペースは動線とコミュニケーションの中心として、リビングはより落ち着きのある空間として、2階のホールはプレイルームなどとして現在利用しています。
風景とコミュニティー階高を抑えた計画は1〜2階のコミュニケーションを容易にし、同時に建物の外観へも大きな影響を与えています。低く押えられたボリュームは景観への調和を促し、また伸びやかな片流れのボリュームは、この地域のシンボルである馬追丘陵と共鳴することを意図しました。
また、住宅に併設されたオフィススペースは、地域での社会活動を行うスペースとして計画し、コミュニティーの中での様々な活動の拠点となります。
このように豊かな田園地域に暮らすことは、豊かな環境を享受することが出来ます。そして同時にそこでの産業やコミュニティーを維持、継続する活動に参加することが大切だと考えています。
エネルギーと環境のこと
良好な室内環境と、省エネルギー技術の実践として断熱強化と地中熱ヒートポンプを利用した暖房システムを採用しています。よりエネルギーを使わず、そして質的にも豊かな暮らしにしたいと考えました。
田園風景は、人の暮らしによって作られた景観です。それを継続するための家族やコミュニティー、そして技術を利用した環境としての家のあり方を、このプロジェクトを通して少しずつ考えて行きたいと思います。
Data
所在地:北海道長沼町
用途:専用住宅
構造規模:木造2階建
設計監理:エヌディースタジオ
施工:池内建設/長沼町