O-House
田園都市の長沼町に建つ住宅のプロジェクトです。周辺が住宅に囲まれた、この地域では標準的な住宅地の中、夫婦と子供二人が常にお互いを意識しながら暮らせる、開放的な住宅となることを意図し計画を進めました。
リビングスペースを中心に、子供たちのためのデスクスペースやキッチンそして吹き抜けを介し父親のためのデスクコーナーをしつらえ、それぞれが各々のスペースを持ちながら同時に空気と音によってがつながり、「気配」が伝達していく空間を実現しています。キッチンに対し斜めに添えられた大きめのカウンターは、エントランスからの視線をリビングの大きな開口部からの光へと導き、また和室にしつらえたFIX窓によって隣地の樹木を借景としながら、奥行きのある室内風景を創りだしています。
家族の成長により必要となる2階の個室郡のヴォリュームは、縦型の開口部や1階の白い壁面によって空中へ持ち上げられ、この住宅の持つ非常にシンプルなプログラムを外部へ表出し同時に周辺の景観に軽快な外観を見せています。また、前面部分の門型のポーチとそこに貼られた木材は、このシンプルな住宅に時間的変化と奥行きを与え、この住宅の表情を創り出します。
白い壁と木そのままの色を残した素材は時間と共に色を持ちながら、この住宅に暮らす家族と同じようにやわらかく、自然体であることとを意識しています。ここに創られた非常にニュートラルな内部空間が家族の生活と共に除々に変化していくことを楽しみにしています。
Data
用途:専用住宅
構造:木造2階建
設計監理:中舘誠治・田村美紀(NDstudio)
施工:池内建設/長沼町